宗教を超えて重なるクリスマスのイメージ~幸せを呼び込む日本人の祈りと知恵
掲載日時:2009.12.25 18:00 コメント [0] , トラックバック [0]
マイスピの皆様! コラムニストの暁玲華です。
今年はマイスピがオープンしてから数カ月間、たいへんお世話になりました。来年もひき続き、日本の伝承ネタにおつきあいくださいませ。よろしくおねがいします。
さて、年末といえばクリスマス、そして正月。日本人はキリスト教徒でなくても、西洋のファッションとしてクリスマスを楽しむことが一般的になりました。正月になれば、神道式に戻って初詣も行きますし、日本の伝統を忘れたわけではなく、生活を楽しむ自然な流れとして、宗教を意識せずに取り入れています。
私は常々神道を基本とする日本の風習には、自然崇拝からくる宗教性が潜んでいると思っているのですが、自然崇拝は原始的なものなので、世界にも同じような型が存在するだろうと考えていました。そういう目で他国の宗教に潜む類似性に目をむけると、象徴であるモチーフや行事の飾り物などにその片鱗をみることができます。
神道は教義がなく、その心は神社などの宗教施設に赴き、自ら感じないとつかむことはできません。そのため、日本人には言葉にはできないけど大事なポイントをつかむ能力に長けた民族性が宿っているのかもしれません。
クリスマスは西洋の他宗教の習慣ではありますが、その風習には自然崇拝的な原始的観念が色濃く残っており、実はそういう意味で考えると日本の神道的風習とは多くの類似性があり、日本人が受け入れやすい型が備わっているのです。型さえ同じであれば、アレンジをいくら変えてもそれは同じものとみなす捉え方を日本人は神社を通して知っています。だからこんなに広まったのかもしれないと思うほどなので、その例を紹介します。
★ クリスマスツリーと門松
まず、クリスマスにはクリスマスツリーが代表的です。これを日本の「門松」と比べてみましょう。
この神が依る木としての特徴は、青々とした針葉樹であることが条件です。そして、先が尖っている葉をもつことが重要なのですが、ツリーはモミの木、門松は松、ということで、木は違っても同じ特徴をもっています。先を尖らしたとしても、竹は松をくくりつける柱としての役割なので、松ほどの意味はありません。
他に門松には南天などの赤い実を添えることも重要です。これは、鈴をあらわし、神が依る木は実が鈴鳴りに音色を奏でるのです。巫女が鈴をもって神を降ろすのもそのためです。そのぐらい神が依る重要なアイテムなのですが、ツリーには赤い小さなリンゴや、そのまま鈴を飾る習慣があります。
門松は根つきの方が古来から喜ばれ、大きな門松は鉢植えになることが多いのもそのためですが、これは、木の足元に黒い大きな石があるところに神が降りやすい聖地の原理からきています。霊山には大きな石が転がっているような山が多いですよね。西洋ではツリーの足元には大きな箱のプレゼントを置く習慣がありますが、これは元々大きな石の模倣からきているのではないかと思います。
他にも、門松の脇には紅白の餅を小さく飾ったりしますが、ツリーにはパンでできた飾りをつけたりします。水引とツリーのキラキラ飾りも似てますね。

上の写真はイタリアのクリスマスツリーを模したものです。去年の麹町カフェに飾られていたのものですが、木の頂にはタカノ爪がつけられ、スパゲッティの飾りやオレンジの飾りがみられます。オレンジを飾るのは、角松やしめ縄に橙をつけることと同じで、柑橘類が長寿をもたらし、厄祓いの代表的なアイテムだからです。また南天などの赤い実の代わりでもあるのでしょう。スパゲティはパンや餅と同じ意味。紅白が練りこまれているのはおしゃれです。タカノ爪はもちろん魔を祓う意味からですしょうが南天の赤から発展したものでしょう。西洋では星やりぼん、日本では赤い花や実と共に紙垂や麻をつけ、神の降りる木であると示します。
★ クリスマスリースとしめ縄
ツリーだけではありません。正月のしめ縄とクリスマスリースはとっても良く似ていると思いませんか。リースの方がデザイン度が高いですが。特徴はどちらも枯れ木でつくるということです。枯れ木は神道では朽木といって、魔をよせつけないものとして、几帳の模様にも描かれているほど重要な象徴です。そして、橙などの柑橘系をつけ、やはり赤い実を鈴の意味でつけます(しめ縄では南天、リースでは姫リンゴが代表的)。リースは元の原型のみで、ほとんどアレンジのものが最近の主流です。
★ クリスマスケーキと鏡餅
他にも鏡餅に対して、クリスマスケーキ。二段重ねのケーキをイメージしてみてください。海のものを挟む鏡餅に対してフルーツを挟んでいますね。ここでは、餅、パン、の共通項に飾りつけをしている、という類似性です。お菓子を配ることと、紅白の餅を配ること、他にも聖書の中にさえ、パンを餅に変えると日本に今でもあるような描写がみられることもあります。
人が開運するための厄を祓う方法論が日本では形として多く残っていますが、その基本の型は宗教に限らず共通しているのかもしれません。またはキリスト教と神道の元が同じということも考えられますが。それはまたの機会に。木を聖なるものと考える原始的な信仰の時代には国境がなかったことでしょうから。
飾りではありませんが、クリスマスのサンタクロース伝説。このお話さえ、日本には似たような話として蘇民将来のお話があったり、髭のお爺さんという意味では、塩筒老爺といういわゆる浦島太郎の物語があります。来年は風の年ということで、髭のお爺さん神が年神として活躍しそうですが、サンタクロースになって本当にくるのかもしれませんね。
(暁玲華)
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掲載日時:2009.12.25 18:00 コメント [0] , トラックバック [0]
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