古代から人間を虜にしてきたチョコレートの媚薬性が描かれる映画『ショコラ』
掲載日時:2010.01.29 10:00 コメント [0] , トラックバック [0]
『ショコラ』の原作者であるジョアン・ハリスは、母方の祖母がフランスの田舎でキャンディー・ショッップを開き、またその曾祖母はさまざまな民間療法に精通し、薬草などの調合に秀でて、村人からも"魔女"として慕われていた人だったそうです。
ジョアン自身もそんな母方の血筋のせいか、イングランドの北部の小さな町でハーブを育て、薬草茶を愛飲し、各地の民間伝承を集めるのを趣味にしているような女性。
映画化された時はこってりとした色調と、設定はほぼ現代なのに携帯電話や電気機器の気配がしない不思議な空間になっています。場面中にも、その場その場にあわせたお香で場を浄化したり、蝋燭の明かりが揺れる不安な夜が深い闇として描かれていたり、タロット・カードをひき続けながら「黒い男」から逃れる旅を続けるという、親子2代の母と娘の物語が繰り広げられ、スピ好きには親近感のあるアイテムに溢れた世界が描かれています。
カカオ豆というのは、昔も今も人々を陶酔させ一瞬にして愉悦を与えてしまう食べ物。バレンタインが近づいてくると、その魔法は現代にも生きているな~と、某百貨店のチョコレート・フェア会場に出向くたびにわたしは思うのでした。主人公のヴィアンヌが自分のチョコレートの店に仕入れるのは最上級のチョコレートだけ。彼女は製菓用のチョコレートに自分の手を入れることで金のチョコレートに変えてしまいます。カカオ豆が世界中にかけた魔法の痕跡に思いをめぐらせながら。。。
古代アステカ王モンテスマの王宮。コステスとコロンブス。儀式用のゴブレットのなかで泡立つ神のあたえたまいし飲み物。ほろ苦い長寿の霊薬。
太古から、カカオ豆は聖なる豆として珍重されてきた。それはこの豆がもたらす魔術的効果のせいでもある。この豆からつくる熱い飲み物は、生贄にささげる祭壇の前でふるまわれた。そのもたらす恍惚感は、圧倒的で、強力だった。
これこそ、レノー神父が恐れるものではないだろうか?
愉悦による堕落、肉体が放蕩に向かう船と化すこと、アステカ族神官たちの乱痴気騒ぎ。
(以上、ショコラから抜粋)
あなたは今年、どんなバレンタインのチョコレートを選ぶのでしょうか? カカオ豆の魔法のご加護がありますように!
(まりこ)
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