まさにこの10年間で最高の知的興奮体験! タイムマシンに乗っているかのようなスリルを味わえる本『銃・病原菌・鉄』
掲載日時:2010.10.26 20:00
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掲載日時:2010.10.26 20:00
どうして、欧米の国々が栄えているのに、アフリカ諸国が低迷しているのか? 1万年の人類の歴史で何がそうさせたのかを解く、知的好奇心を満足させる本をご紹介します。
それが、『銃・病原菌・鉄』(上・下/草思社/ジャレド・ダイアモンド著)です。
この本を読むと先進国がなぜ欧米諸国に集中しているのか、特に、16世紀頃ヨーロッパがなぜ世界の中心になったのかがわかります。そして、なぜそれが極東の中国ではなかったのかも、わかります。
これまでその要因は、民族の優秀さ、もしくは宗教的な影響、文化・社会の構造に求められてきました。しかし、それとは全く異なる素朴な要因が現状の国や地域の発展に大きく関係することが、緻密な調査から浮き彫りにされます。
壮大な規模のパズルを解くような知的興奮を味わえます。
この『銃・病原菌・鉄』は、ピュリッツァー賞受賞(一般ノンフィクション部門)、そして「朝日新聞ゼロ年代の50冊」で「2000年~2009年に刊行された全ての本の第1位」に選定された名著でもあります。朝日新聞ゼロ年代の50冊は、この10年で発売された本のランキング、識者151人のアンケートによるものです。
『銃・病原菌・鉄』の舞台は、1972年のインドネシアから始まります。インドネシアの有力な政治家が、アメリカ人である著者に、素朴な質問を投げかけます。
「どんな白人でも豊かなのに、インドネシア人は、なぜこうも貧しいのか?」
そして、舞台は、スペイン人がインカ帝国を倒す場面に移ります。
166人の白人が8万の兵士がいるインカ帝国を倒す大きな要因が、実は、「銃・病原菌・鉄」に集約されていることが描かれています。
なぜ、白人は「銃・病原菌・鉄」を持ち得たのか、それを、中東で文明が生まれた要因、南太平洋の島々に起こった様々な社会の発展の様子、日本で銃が放棄された理由などの多くの事象を丹念に解き明かして、極少数の要因に理由があることを突き止めます。
『銃・病原菌・鉄』を読むと、様々な地域に起こった歴史事件を、まるでタイムマシンを使って地球のあちこちに行き、観察しているような錯覚に陥ります。上下の2冊構成の分厚い本ですが、あっという間に読むことができます。
この秋の読書に、1番のお勧めです。
(外間秀幸)

ジャレド ダイアモンド (著), 倉骨 彰 (翻訳)

ジャレド ダイアモンド (著), 倉骨 彰 (翻訳)


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